リンゴさび果病罹病樹から抽出した低分子RNAのリンゴ実生への転搬
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概要
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リンゴさび果病罹病果から常に特異的な二種の低分子 RNA (ASSARNA 1, ASSARNA 2) が検出されるが, 果実以外からの検出を試みた結果, 1gの樹皮からも ASSARNA 1は検出可能であった。この樹皮からの検出法を用いて, フェノール抽出した核酸の感染性を調べた。罹病果から抽出した全核酸をカーボランダム法によりリンゴ実生苗に接種した結果,28か月後13本のうち1本のみから ASSARNA 1が検出された。また, ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製した ASSARNA 1を切り付け法により接種した結果, 13か月後14本のうち8本からASSARNA 1が検出された。即ち ASSARNA 1はリンゴ実生に感染し, 増殖したものと推察された。既報の ASSARNA 1の性状および本試験の結果は ASSARNA 1がウイロイドであることを示唆しているが, ASSARNA 1がリンゴさび果病の病原体か否か, またもう一つの特異的 RNAである ASSARNA 2の役割等はまだ不明である。
- 日本植物病理学会の論文
- 1985-04-25
著者
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