Potato virus T RNA の3'末端領域の塩基配列
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概要
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Capillovirusグループのpotato virus T (PVT) RNAの3'末端の2,392塩基の配列を決定した。本配列は5'末端側より互いに末端の重複したORFl(少なくとも248アミノ酸(29K)以上), ORF2(358アミノ酸:40K),およびORF3(213アミノ酸:24K)をコードし, 3'末端には188塩基よりなる非翻訳領域とpoly(A)が認められた。29Kタンパク質は, alpha-like supergroupのうち, ポリメラーゼグループIIに属する数種植物RNAウイルス(beet yellows virus(BYV;closterovirus subgroup B),tobacco mosaic virus, tricornavirus)のポリメラーゼタンパク質のC-末端に特有のアミノ酸配列よりも, ポリメラーゼグループIに属するウイルス(apple chlorotic leaf spot virus (ACLSV;closterovirus subgroup A) , carlavirus, potexvirus)のそれに類似していた。24 Kタンパク質は, ひも状ウイルス(ACLSV, BYV, citrus tristeza virus (CTV; closterovirus subgroup C) , potexvirus, carlavirus)の外被タンパク質と共通のアミノ酸配列ブロックを有していた。40 Kタンパク質は,植物ウイルスのcell-to-cell movementタンパク質と推定される配列と類似していた。またPVTは, ACLSVと3'末端側においてORFの配置が酷似しており, poly (A)のないBYVとはまったく異なっていた。Capillovirusグループの遣伝子構造に関しては, 本報告が最初である。以上から,現在c1osterovirus subgroup Aに分類されているACLSVは,遣伝子構造上むしろPVTに類似し, subgroup BおよびCのウイルスとは異なることが明らかになり, ACLSVはむしろPVTと同一グループを形成すると考えられることから, その分類については再検討の必要があろう。
- 1992-07-25
著者
-
平塚 和之
横浜国立大学大学院環境情報研究院
-
難波 成任
東京大学農学部
-
土崎 常男
鯉淵学園農業栄養専門学校
-
柏崎 哲
北海道農研
-
柏崎 哲
農業研究センター
-
土崎 常男
東京大学農学部
-
平塚 和之
ロックフェラー大
-
越知 資泰
東京大学農学部
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