九州地方の2地域の畑土壌における Aspergillus flavusおよびA.parasiticus の生息密度
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概要
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熊本県西合志町周辺および宮崎県都城市周辺の畑圃場における土壌中の Aspergillus flavus および A.parasiticus の生息密度, アフラトキシン生産性および両菌の生息に与える栽培作物, 温度, 土壌水分の影響を調べた。熊本地域では 12圃場を調査して, ダイズ, メロンの2圃場から A.flavus を検出した。両圃場の A.flavus 数は土壌1gあたりそれぞれ166および33であった。都城地域ではトウモロコシ, ピーナッツ, サツマイモ畑のそれぞれ15圃場を調査し, トウモロコシ3圃場, ピーナッツ2圃場, サツマイモ1圃場から A.flavus を検出した。これらの圃場の土壌1gあたりの A.flavus 数は33から100の範囲にあった。ついで, 熊本地域の9圃場および都城地域の12圃場の土壌について, 水分補充区と不補充区に分けて, それぞれ25, 30および37℃で1ヵ月間培養した。一部の土壌間では A.flavus 数に有意差が認められたが, 培養の前後および温度間, 水分間では A.flavus 数に有意差は認められなかった。しかし, 同一土壌を7回繰り返して測定した結果, 1回目の測定では A.flavus が検出されなかった13圃場のうち7圃場から A.flavus が検出され, 生息密度は低いが広く分布していることが示唆された。繰り返し測定の結果から両地域の畑土壌1gあたりの平均 A.flavus 数は熊本地域では30±9.7, 都城地域では11±2.3 であった。分離株のアフラトキシン生産性は, 熊本地域では6圃場から分離した12株のうち1株がアフラトキシンB_1およびB_2を生産した。都城地域では8圃場から分離した16株のうち1株がアフラトキシンB_1, B_2を生産し, 3株がB_1, B_2, G_1およびG_2を生産した。本試験では A.flavus は検出されなかった。
- 1992-04-25
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