Neozin液剤によるリンゴ腐らん病防除の可能性
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概要
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リンゴ樹の組織に含有されているフロリジンは腐らん病菌の体外酵素によって分解され, 組織壊死毒素を生ずる。病原菌の菌糸はその毒素に中毒した組織を通って寄主体内を進行するものと考え, 酵素作用を阻害する薬剤の探索を試みた。多種の酵素の作用を非特異的に阻害する重金属およびヒ素化合物を人工接種病斑に散布した結果, AsHNa_2O_4に病斑伸展抑制効果が認められた。そこで, ヒ素系農薬のNeozin液剤の原液(6%a.i.)を109個の自然病斑に対し, 削り取りを行わずに, 1週間間隔で2回散布した。その結果, 病斑によって時間的な差はあったが, 最初の処理から約2週間後に病斑の伸展は止まり, 病斑の外側に亀裂が生じた。さらに時間が経つとカルスが形成されれ, 病斑はほぼ完全に治癒した。病斑の治癒率は82.5/以上であった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1991-10-25
著者
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