補償度クラス別前方誤り訂正を用いたインターネットマルチメディア転送(<特集>マルチメディアネットワークシステム)
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概要
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本論文では, マルチメディアデータを対話型のアプリケーションにおいてリアルタイム転送する場合を対象にし, そこで問題となるパケット紛失を回避するために紛失パケットをFEC技術により回復することとし, その場合に問題になる輻輳の変動について, 傾斜を付けた異なる冗長度を持たせた複数の層に分割した転送により, パケット紛失率に対して適応的に転送・再生する方法について検討した.実現可能性を確認するために, 実際に想定されるパラメータを用いたTV電話の例を次のように設計し, 実用的なパラメータが存在することを確認した.具体的にはFECによる追加遅延を50mSに制約した下で, 16Kbpsの帯域を持つ音声を4+1で, 動画のうち32Kbpsの帯域を持つ優先部分を18+2で, 動画の残り部分を冗長符号なしで組み合わせることにより, すべてのデータを冗長度なしで符号化した場合の112Kbpsとすべてのデータを4+1で符号化した場合の135.2Kbpsの中間の値である123.2Kbpsを得た.また, 設計した転送システムのFECによる紛失パケット回復性能を予想するために, インターネット上の区間でパケット紛失パターンのトレースを採取し, これを入力としてシミュレーションを行った.結果は, 輻輳状況によりパケット損失率が異なる場合において, 階層に応じた回復が行われることが確認された.平均のパケット損失率がほとんど0のトレースではすべての層のパケットが受信され, 平均損失率が5〜7%程度のトレースでは音声と動画の優先層がFECによって3〜4%程度に改善され, 平均損失率が15%程度のトレースでは音声のみがFECによって11%程度に改善され, 動画の優先層は13%程度にしか改善されなかった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2001-02-15
著者
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