偏導関数自動導出システム
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概要
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偏導関数値を計算する方法として,数値微分法や数式処理による方法のほかに自動微分法が提案されており,関数を記述するだけで正確な偏導関数値が自動的に,かつ,高速に求められることが示されている.したがって,この方法は数値計算の種々の分野に大きな影響を与えうるものであり,手軽に自動微分法を利用するためのシステムの開発が急がれている.この論文の目的は,自動微分法のためのプログラミング言語,および,その言語で記述されたプログラムを処理する偏導関数自動導出システムを示すことにある.ここに示す言語は,ベクトルや行列に対する演算を記述でき,さらに,それらに関する微分演算も記述できる言語である.偏導関数自動導出システムは,プログラムを解釈し式を計算過程に分解する構文解析部,計算過程を計算グラフに表現する計算グラフ生成部,自動微分法に基づき偏導関数の計算過程を導出する微分部,計算グラフから計算過程を生成する出力部から構成されており,出力される計算過程には計算グラフの操作が含まれない.いくつかの問題に対して,これらの問題が簡潔なプログラムに表現されること,および,計算結果の再利用や簡約化を行うため自動微分法自体が生成する計算過程の計算量よりも少ない計算量の計算過程が生成されることが示された.
- 1989-07-15
著者
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