プログラム仕様記述のための計算指向EARモデル
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概要
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プログラム仕様記述法へ適用するための計算指向EARモデルを提案する.本モデルは,対象世界の情報を主体,属性および関連の枠組で捕えているEARモデルに基づいている.EARモデルは当初,データベース構造設計へ適用するために提案された.そのため,主体,属性および関連等の枠組を定める構造に関しては,定式化が進んでいる.その後,たとえば,トランザクション設計へも適用するためのER動態モデル,および,データ・ディクショナリヘ適用するための論理指向ERモデル等が提案された.それに伴って,構造に課せられた条件を定める制約に関しても,定式化が進んできている.本論文では,プログラム仕様のうち,計算に関する部分をEARモデルで表すために,以下の制約を設けた.(1)ある主体の属性値に基づいて,他の主体の属性値を得るための属性値従属性制約.(2)いくつかの主体の存在に基づいて,その主体間に存在する関連を得るための関連存在従属性制約,(3)ある主体の存在に基づいて,他に存在する主体を得るための主体存在従属性制約.計算指向EARモデルの特徴は,以上の制約を定式化したことである.本モデルはプログラム仕様記述法PSDMへ適用した.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-03-15