フェイズの移動特性に適応する記憶管理方式の提案
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概要
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ワーキング・セット法は, プログラムが実行中に局所参照しているページ集合を, そのプログラムが過去一定時間内に参照したページ集合であるワーキング・セットによって推定し, それを主記憶上に保持してプログラムを実行する方式であり, 現実のシステムでも広く利用されているすぐれた仮想記憶の管理方式である. しかしながら, その一つの問題点は, 局所参照しているページ集合が変化したときに, 一時的に不要なページが数多くワーキング・セット内に含まれてしまう可能性が大きいことである. 本論文では, 原始プログラム内のループ構造を利用して, この問題を改善する方法を提案した. 提案した方法の根拠は, プログラム実行時の局所参照性, あるいは, 局所参照するページ集合が変化するという特性は, 原始プログラム内のループ構造に原因があるということである. 局所参照の原因となっているループについては, 実行時にループの入り口で, そのループ内で参照されないと考えられるページを, まとめてページ・アウトする. 提案した方式の具体的な実現方法を述べ, その特性をシミュレーションによって評価した結果をワーキング・セット法の結果と比較して述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1985-05-15
著者
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