線の識別と大局的論理を考慮した胃X線二重造影像の胃部抽出
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概要
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本論文は画像処理の手法を用いた胃X線二重造影像の胃部領域抽出方法について述べている. 胃二重造影法は胃内部の粘膜ひだや病変を見るもので胃X線検査のなかでは非常に重要であるが, 胃内部と外部の濃度差が小さく胃部と複雑な背景が重なるため, 計算機処理の対象とするには困難な画像と考えられていた. しかしながら, 胃X線集団検診のスクリーニングの自動化を行う上で必須の画像であるため, その処理方法の開発が望まれている. 当面する処理目的として, 複雑な背景から観察すべき胃部領域を正確に抽出する必要がある. 従来のヒューリスティックな方法では背景雑音の影響を受けやすく, また, 線の局所的情報のみで連結処理を行うことによりエラーの危険性が高かった. 本論文ではこれらの弱点を改善するために開発した線近傍の濃度変化を利用した線の識別, 形状を利用した脊推陰影の識別と除去, 大局的線連結処理などの方法について説明する. この結果, 従来の方法では困難な画像に対しても胃部の抽出が可能となったことが示されている.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1983-03-15
著者
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