ブロードキャストとWTC方式を用いた分散プロセス制御方式 (<特集>並列処理)
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概要
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本稿では,メッセージをプロードキャストすることによって,特定のプロセス群の強制終了,実行の停止/再開,状態の変更を行い,WTC方式の応用によりその完了を確認する方式を述べる.非同期メッセージ通信を行う分散環境では,送信はされたがまだ受信されていないメッセージが存在するため,大域的な状態の制御が困難である.WTC(Weighted Throw Counting)方式は,プロセッサ内だけでなくネットワーク中のプロセスにも重みのを持たせ重みの合計を制御プロセスが把握することにより,終了検出を行うものである.この方式では到着確認メッセージや観測を繰り返す必要がないため終了が効率よく検出できる.WTC方式を利用し「プロセスの存在するPEを制御プロセスが把握する」ことにより特定のプロセス群の状態制御を行う方式が提案されているが,「プロセスの存在を伝えるメッセージが必要」「メッセージの追い越しのある環境ではコストが高くなる」などの問題があった.本方式では,メッセージのプロードキャストと空のサブプールの導入によってこれらの問題を解決した.プロセスが広範囲のPEに渡るような分散実行に本方式は適している.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-03-15
著者
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