エピソードネットワークを用いた物語のあらすじ生成
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概要
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物語のあらすじを生成するには,まず物語を深く理解し,文の因果関係を十分考慮することが必要である.そこで日本語物語理解システムJStoryが生成するエピソードネットワークを使ってあらすじ生成を試みた.JStoryではさまざまな知識を用いて事象間のより深い関係を推論したり,入力文章の行間にいくつかの補助的な文を埋めていき,その結果をエピソードネットワークとして表現している.つまり,物語の展開(筋)や各文の因果関係をエピソードネットワークに変換し,それを物語の内部表現としている.そこでこのエピソードネットワークに基づいてキーセンテンスを抽出し,あらすじを生成する.その際,表層的にキーワードやキーセンテンスを抽出するのではなく,原因-結果,理由-行動に注目して,物語の展開(筋)やキーセンテンス間の因果関係を維持した飛躍のないあらすじ生成を試みている.目的達成に対し何度も失敗を繰り返した後ゴールを達成するような,話の展開の異なる物語についても,基本方針を変えることなく対応できる.かつ四つの昔話について人間によるあらすじ生成と比較してシステムの動作を検証している.この方法の特徴は,大局的な要約が可能であり,連鎖関係に基づいており,かつ,スクリプトや概念ユニットなどの知識構造に着目した局所的な要約も取り入れているので,あらすじに飛躍が生じにくい点にある.
- 1991-10-15
著者
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