状態遷移を利用した高速ポリライン・クリップ方式
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概要
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2次元グラフィックスのクリップ処理において,1つ前の点が存在する領域の情報を活用することにより,高速なポリラインのクリップ・アルゴリズムを開発した.従来のクリップ方式では,線分を構成する両端点が与えられた場合のアルゴリズムしか提案されておらず,効率の良いポリラインのクリップ処理アルゴリズムは明確ではなかった.本論文では,クリップ処理の際に1つ前の点が存在する領域の情報を活用し状態を遷移させることにより,高速にポリラインをクリップするアルゴリズムを提案する.近年,高速プロセサの発展により演算能力は非常に向上している.しかしながら,これらの高速プロセサを用いた場合の問題点の1つとして,分岐命令によるパイプラインの性能劣化がある.そこで,本アルゴリズムでは分岐命令を極力少なくするとともに,クリップ・インおよびクリップ・アウトの両場合ともに高速処理を行えるようにした.定量的な評価として,2点を基にクリップ処理を行う従来のアルゴリズム,およびCohen-Sutherland法を用いて1つ前の4ビット・コードを保存し1点処理を行うように変更したアルゴリズムと比較した.比較の結果,両場合に比べて本方式ではクリップ処理に必要な比較および分岐命令数が大幅に減少しており,高速なクリップ処理の実現性を確認できた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-15
著者
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向井 信彦
三菱電機(株)情報技術総合研究所:(現)武蔵工業大学工学部電子情報工学科
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向井 信彦
三菱電機(株)情報電子研究所エンジニアリング・システム開発部アーキテクチャ・グループ
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向井 信彦
三菱電機(株)情報技術総合研究所
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