線形部分空間と直交射影のアプローチによる多呼種ATMセル損失率近似モデル
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概要
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本論文では, ATM (Asynchronous Transfer Mode) トラヒックの統計多重時における, バースト長が一般分布である場合 (バースト間隔は指数分布) が近似可能で, かつ, 呼種数が増加しても計算の爆発を起こさない多呼種のセル損失率の近似モデルを開発した. 本近似モデルは, 信号解析およびパターン認識処理等に応用されている線形部分空間と直交射影のアプローチを適用した単一呼種のセル損失率近似モデルを, 多呼種のセル損失率近似モデルへと拡張したものである. 本拡張において, 多呼種のセル到着率分布を, ニ項分布を重み関数とする直交関数展開 (一般化されたEdegeworth展開) により, 線形部分空間への直交射影で近似した. また, 待ち行列長の分布関数を線形部分空間と直交射影のアプローチで近似するだめに, 個々の呼種のバースト長の大きさとバースト性の両者を反映した実効バースト長なる量を導入し, 多呼種での待ち行列長の最大変動に対応する指数分布を求めた. 本近似モデルによるセル損失率をシミュレーシヨンと比較すると, トラヒツク特性が極端に異なる3種類 (ピークセル速度が100Mbps, 20Mbps, 2Mbps) のトラヒックの統計多重を行った場合でさえも, バッファ長が十分に長い場合には, 95%信頼区間の範囲内にあるか同ーオーダの安全側の近似となった.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-03-15
著者
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