(46)Colletotrichum gloeosporioidesによるシンゴニウム炭疽病(新称)
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概要
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2001年6月,富山県花総合センターの温室栽培のシンゴニウムSyngonium podophyllum Schottの葉に,濃褐色の縁取りのある褐色斑の病害が発生した.類円形の病斑内部は灰褐色で,表面に微小黒粒点(分生子層)を散生して,破けやすい.濃褐色の輪紋を生じ,病斑が拡大して葉身が歪み,巻曲することもあり,葉先きが褐色V字状に枯れ込むことも多い.健病の境界は明瞭で,周りが黄化することもある.病斑からColletotrichum菌が単離され,この培養菌を接種して原病徴を再現し,接種薗を再分離して,カラー等にも病原性を示した.分生子層は最初は表皮下にあってレンズ状であるが,後には丘状に盛り上がり,径100〜260μm.褐色の剛毛を有するが少なく,20〜70×3.5〜4.5μm.分生子は無色,単胞,両端が丸い円筒形で11.5〜22.5×4.8〜6.3μm(17.6×5.3μm).付着器は燻った褐色で卵形,棍棒状かやや不正形,6.9〜10.3×4.9〜7.9μm(8.8×6.3μm).以上から本病原菌をColletotrichum gloeosporioides(Penzig)Penzig et Saccardoと同定した.本病をシンゴニウム炭疽病と呼称したい.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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