(3)トマトアルターナリア茎枯病菌(Alternaria alternata tomato pathotype)における病原性遺伝子ALT1およびconditionally dispensable(CD)染色体の水平移動
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概要
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先にA.alternata (Aa)トマト病原型(T)が,宿主特異的AAL毒素生産に関与するPKS遺伝子ALT1の座乗するCD染色体を保有していることを報告した.さらに,日本および外国産T菌のPFGE核型,rDNAのITS領域,MAT,β-tubulinおよびメラニン生合成PKS遺伝子の配列が各々異なるのに対し,CD染色体上のALT1配列は同一であることから,ALT1の水平移動の可能性を報告した.今回,T菌の類縁性をAaの反復配列およびテロメア配列のfinger printing (FP)で比較すると共に,rare cutting enzyme (RCE)によるRFLP解析を行った.その結果,T菌の反復配列およびテロメアFP,またRCEのRFLPにおいて多型が見出され,これら菌株の遺伝的バックグランドが異なっていることが示された.さらに,RCEサザン解析において,中型染色体座乗のPKS遺伝子をプローブとした場合,菌株間で多型がみられるのに対し,CD上のALT1の場合,断片長は全てのT菌で一致した.以上の結果は,毒素生合成遺伝子および座乗CD染色体が,水平移動によりT菌集団中に拡散したとする従来の仮説をさらに支持した.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
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