(13)キュウリに新たに発生したOidium属Reticuloidium亜属のうどんこ病菌
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概要
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2002年6月平塚市のハウス栽培のキュウリ上に分生子世代の形態を異にする3種のうどんこ病菌の発生を認めた.これらを精査した結果,2種は本邦で既報のSphaerotheca fusca(Fr.)Blumer emend.Braunの分生子世代とPseudoidium亜属のOidium sp.であった.他の1種は,菌糸が葉,葉柄上に表生し,分生子柄が菌糸上に直立.分生子は無色,単胞,類円筒形〜たる形,フィブロシン体を欠き,大きさ26〜40×12〜18μm,鎖生.分生子の発芽管はCichoracearum型.以上の形態から,本菌はGolovinomyces属菌(=Erysiphe属Golovinomyces節)の不完全世代であるOidium属Reticuloidium亜属に属すると考えられた.本邦でキュウリ上にE.cichoracearum DC.が記録された(Salmon,1905)が,キュウリヘの寄生性は不明とされている(病名目録,2000).ハウス内2箇所にキュウリリーフディスク(各100枚)を入れたシャーレを設置し,3種の菌の発生推移を週毎に調査した結果,発病初期は,Reticuloidium亜属菌が全体の約80%を占めていたが,発病盛期〜後期は,S.fuscaが80〜100%となった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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