疎行列に対応した行列言語コンパイラCMCの開発(言語処理系)
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概要
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数値計算プログラムの記述を容易にするためにMATLABをはじめとする行列言語が開発され,ラピッドプロトタイピング用途等に広く利用されている.行列言語プログラムはインタプリタで実行される場合が多いが,処理の高速化を目的とし,行列言語コンパイラを用いて静的解析により余分な動的処理を排除してFortranなどのコンパイル言語記述に変換する手法が検討されつつある.しかしながら,大規模数値計算コード記述を想定して疎行列の扱いを考慮した取り組みはなかった.これに対し我々は,密行列と疎行列を区別なく扱うことを可能にする行列言語コンパイラCMCを開発した.CMCはMATLABに基づくコードをFortran 90に変換することができ,対角,三角などの行列形状情報の検出機能とそれに基づく最適化機能も備える.試作した処理系をSOR法やCG法のMATLABコードに適用して実測したところ,係数が疎行列の大規模コードにおいて,SOR法で7倍以上,CG法でも3倍以上,MATLAB実行環境よりも高速に実行でき,行列言語をベースとした大規模数値計算コード開発の可能性が確認できた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2004-10-15
著者
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