ファーストクラス継続を持つオブジェクト計算
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概要
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AbadiとCardelliにより提唱されたオブジェクト計算は,大変簡潔な構文と意味論により定義されるにもかかわらず,セルフパラメータの遅延束縛などオブジェクト指向言語の主要な計算機構をモデル化することに成功している.継続とは,計算のある時点における計算の残りの部分を表現する概念であり,実行系の内部状態の1つである.ファーストクラス継続は,ある時点の継続をデータとして保存したり,データとして保存した継続をしたりすることを可能とするものである.ファーストクラス継続は,プログラミング言語Schemeで実現され,コルーチンやバックトラックなどを表現できることが知られている.本研究では,オブジェクト計算にファーストクラス継続の概念を導入した継続オブジェクト計算を提唱する,この体系において,意味論は評価文脈を用いて定義される弱簡約関係により与えられる.ファーストクラス継続は,評価文脈をフィールドに保存する継続オブジェクトとして形式化される.最初に型なし継続オブジェクト計算を紹介する.次に,継続オブジェクト計算の1階型体系を与え,主部簡約定理を示す.さらに,部分型体系を与え,主部簡約定理のほか,基本的性質を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2003-10-15
著者
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