日英機械翻訳のための時間表現の意味と対応関係の解析(自然言語)(<特集>コラボレーションアートとネットワークエンターテイメント)
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概要
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時間表現が表す概念には,話者と事象の時間的関係を表すテンス,動作や状態の時間的な側面を表すアスペクトがあるが,これらの情報を表現する仕組みは言語によって異なり,機械翻訳における訳文品質低下の一因となっている.本論文では,文末が日本語で代表的な「ル型」,「タ型」,「テイル型」,「テイタ型」「ル+ダロウ型」の5種類の語尾形式を持つ単文と引用節を含む複文を対象に,言語独立の中間表現を介してテンスとアスペクトを英語に翻訳する方法を提案した.具体的には,まず,言語表現で表される対象と話者の時間関係を事象時(E),参照時(R),発話時(S)の3つの時点の客観的な時間関係表現によって表す方法を定めた.次に,与えられた日本文に対して,文末の語尾形式と文中で使用されている動詞,時間副詞の時間的性質に着目して,時間関係表現を導く方法を示し,得られた時間関係表現から,英語表現のテンス,アスペクトを生成する方法を示した.なお,英語表現の生成では,英語文法上のテンス,アスペクトに関する制約条件を考慮し,結合価パターン辞書などを使用して,翻訳に使用された英語動詞の用法チェックする方法を示した.日英対訳標本データ(600文)に適用した結果によれば,単文の場合,一意正解率73.2%,複数選択正解を含めると正解率は87.0%,複文の場合の正解率は79.5%であった.また,日本語教材に収録されたテンスアスペクト用例(単文151文)を用いた実験では,本方式は,市販の翻訳ソフトと比較して16%程度高い精度を示した.
- 2003-02-15
著者
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