947. 岐阜県の中新統瑞浪層群からの頭足類 Spirulirostra
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概要
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岐阜県瑞浪市明世町月吉の中新統瑞浪層群月吉層からSpirulirostraが採集された。これは, 房錐断面が楕円形を呈し, 鞘はやや大きく, 側翼が前後に長いこと, などで, ヨーロッパの中新統のSpirulirostra bellardiiやS. baetensi, およびSpirulirostrina lovisatoiと区別できる。1981年筆者らが瑞浪市桜堂の名滝層から記載したSpirula mizunamiensisは房錐の標本に基くが, 月吉標本と房錐の特徴が一致し, 同種と判断され, Spirulirostra mizunamiensis (Tomida and Itoigawa)と結論する。楕円形の房錐断面をもつ月吉・桜堂標本とヨーロッパの近縁の種との比較により, 長楕円形の螺環断面をもつSpirulirostrinaを, 科としてよりは属として分けることが支持される。月吉標本は, 凝灰質の砂質泥岩から現地性のCyclina-Vicarya群集に伴って産出し, 堆積環境は内湾の潮間帯泥底と推定されるので, 暖海の外洋から死後漂着したものと思われる。
- 日本古生物学会の論文
- 1992-12-30
著者
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