913. 殼成長計数とフーリェ記述子を用いた Anadara 属 2 新種の判別
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概要
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二つの方法を用いて, Anadara属の2新種, Anadara (Scapharca) omaruensisとAnadara (Scapharca) takanabensisをそれぞれの類似種から判別した。ひとつの方法は殼の成長変化を記述し, 成長変化の差異から殼の螺管モデルの枠組みの中で殼形態の差異を評価する方法である。これらの結果, 2新種を含む4種は殼の巻軸回りでの螺旋の様式に違いがあることがわかった。もうひとつの方法は, 殼開口部の形態をフーリェ記述を用いて記述し, 2個体間の殼開口部の形態の差異をフーリェ記述子間の違いを表すフーリェ距離によって示す方法である。4種を含む標本群の個体間のフーリェ距離をクラスタリング法によってデンドログラムにまとめた結果は, 4種の形態の類似は殼開口部の不等側の程度によって表され, 大きく2つのグループに分けられることを示している。
- 日本古生物学会の論文
- 1991-04-30