910. 中北部日本の鮮新一更新世貝類群集及びその環境との関係
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概要
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日本の中新世末期から更新世に及ぶ約500万年間の寒流系貝類動物群中に7つの群集のグループが認められた。それぞれのグループを構成する地域群集はお互いに種または属組成のみならず環境との関係も類似し, お互いに生態的平行の関係にある。群集のグループの分布は主に水深と底質に規制される。また, これらの群集のグループに対応する現生の群集が日本周辺海域に認められる。7つのグループのなかでAcila-Turritella群集が最も普遍的で, 現生の下部浅海帯群集に比較される。Delectopecten群集とNuculana群集はこれより深い環境に認められる。Anadara群集とMacoma-Mya群集は浅海環境を代表し, それぞれ上部浅海帯の砂底と泥底群集に比較される。Thyasira群集は還元的な環境と結びついていたと考えられる。Chlamys群集は下部浅海帯及び上部漸深海帯の粗粒砂底を代表する。
- 日本古生物学会の論文
- 1990-12-30