892. 北海道上部白亜系産 Tetragonites 属アンモナイトの分類
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
北海道の白亜系蝦夷層群より産出するTetragonites属アンモナイトについて, 既存種の模式・図示標本を加えた豊富な標本をもとに諸形質の分類学的評価を行った。その結果に基づき, T. glabrus (Jimbo)を再定義するとともに2新種を識別し, T. minimus, T. terminusと命名し記載した。これら3種は初期殻体内部構造や殻口縁の形など不連続な形質によって容易に識別される。T. glabrusはチューロニアン階中部からカンパニアン階上部に産し, 螺環の形や表面装飾などに大きな変異がみられる。従来記載されたT. sphaeronotus (Jimbo), T. crassus (Jimbo), T. popetensis Yabeなどは本種内の変異型とみなせる。T. minimusは小型の種で, チューロニアン階下部からカンパニアン階上部に産する。T. terminusはマストリヒチアン階下部のみに産し, 巨大な胚殻を有する。
- 日本古生物学会の論文
- 1989-12-30
著者
関連論文
- 837. 白亜紀アンモナイト数種の成長に伴う殻形変異と流線効果
- 939. 北海道及びサハリンの上部白亜系産テトラゴニテス科アンモナイト Pseudophyllites indra について
- 892. 北海道上部白亜系産 Tetragonites 属アンモナイトの分類