682. 日本のいくつかの化石および現生フジツボ類の分類学的研究 (その 2)
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概要
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この論文では日本の主要な化石および現生フジツボ類のうちBalanus rostratus, B. crenatus, Megabalanus rosa, M. volcanoおよびSolidobalanus (Hesperibalanus) hesperiusを記載する。B. rostratusおよびS. (H.) hesperiusの2種は従来いくつかの種以下の分類群に細分されていた。しかしそれらの種以下の分類群の標徴とされた形態的特徴は日本の現生および化石の1つの地方個体群の標本中に見られる。従ってそれらの種以下の従来の分類は認められない。しかしこの結論は別の形態的特徴によって両種がそれぞれさらに地理的に細分される可能性を否定はしない。M. volcanoの化石がはじめて沖縄本島の更新世に発見された。この化石にはM. rosaが付着しており, 更新世には両者の生殖的隔離が完了していたことを暗示する。B. crenatusおよびS. (H.) hesperiusは最古の化石記録が日本では中新世初期まで溯られる。両種とも現在までの時間経過の間に種を特徴づける形質にほとんど変化が認められない。フジツボ類のこのような形態の長期間にわたる安定性は表現型がその状態を維持する機構を考えあわせる時古生物学的に興味深い素材を提供する。
- 日本古生物学会の論文
- 1977-11-15
著者
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