658. Dictyocha subarctios (珪質鞭毛藻) の北太平洋海底堆積物中に於ける地理的並に地質的分布
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概要
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筆者により中部北太平洋の中緯度深海底堆積物より検出されたDictyocha subarctios(珪質鞭毛藻)に就て研究を続けた結果, 此の種はベーリング海, 日本海を含む中, 高緯度地域の全北太平洋海底にのみ広く見出され, 現生のDistephanus octangulatusの分布に似ている事が判明した。そして本種の地質的出現は鮮新-更新世の境界, 即ちMatuyama逆磁極期中のOlduvai亜期でEucyrtidium matuyamai(放散虫)と殆ど同時である。然してその絶滅はBrunhes正磁極期とMatuyama逆磁極期の境界よりは若く, 0.6〜0.65m.y.と推定される。此の結果, 環北太平洋地域殊に日本の更新世早期或はそれに対比される地層中, 若しくは1977年に予定される国際深海掘削計画(IPOD)中, オホーック海よりKuril Arcにかけての深海底堆積物中に本種が見出されることが予測される。
- 日本古生物学会の論文
- 1976-04-30
著者
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