572. 大道谷植物群について
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概要
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1951年, 石川県石川郡白峯村大道谷において, 前田四郎教授は上部白亜紀植物化石を採集された。その材料は遠藤誠道・天野昌久両教授によって函渕植物群に匹敵する新期白亜紀植物群であると報告された(1952年)。このたび, 小林貞一・前田四郎両教授の御好意によって大道谷産の材料を見せて戴く機会に恵まれたので, 今までに谷峠および福井県勝山市谷町御所ケ原で採集した植物化石をも含めて報告する。大道谷植物群は毬果植物に富む植相をしめすが, 採集した個体数ではHemitrapaが圧倒的に多い。堆積層は湖成相をしめし, 最大層厚150m位で, 面谷流紋岩類の間に存在する。この特徴ある新期白亜紀酸性岩類を伴なっている足羽植物群に比較すると, 大道谷植物群の層準は上位であるが, 領石統のNilssonia densinerveを産出する。しかし, 本邦では第三紀的要素であるPseudotsuga, Pinus等を産出する特徴を持っている。
- 日本古生物学会の論文
- 1970-12-20
著者
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松尾 秀邦
Department of Geology, College of Liberal Arts, Kanazawa University
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松尾 秀邦
Department Of Geology College Of Liberal Arts Kanazawa University
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