サルエビの発生におけるノープリウス卵とゾエア卵の出現
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概要
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成熟した多数のサルエビを実験室内で産卵させ,その初期発生を観察し,他のクルマエビ科の種類と比較検討した。産卵は21:00から00:00の時刻に行われ,産卵数はおよそ6,400から106,000粒の間にあった。産卵数と頭胸甲長との相関関係はY=log(-352.215+18.6561X)(r=0.94^*)であった。卵径は産卵時には223μmであったがふ化直前には400μmに達した。水温26℃,塩分34.5の状態で産卵後15時間13分後に卵の56.4%が羊膜におおわれた状態で第一期ノープリウス幼生としてふ化した。しかし19.9%の卵はノープリウス期のまま卵内にとどまり,産卵後60時間13分を経て第一期ゾエア期に達してから10.3%の卵がふ化するのがみられた。このようなノープリウス卵とゾエア卵の出現はクルマエビ科の個体発生では初めて見出されたものである。
- 日本甲殻類学会の論文
- 1992-12-31
著者
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