北日本太平洋沿岸から採集されたチヒロエビ科(十脚目:根鰓亜目)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
青森県から福島県に及ぶ本州東北太平洋沿岸海域から採集された材料に基づき,1新種を含むチヒロエビ科エビ類5種,ツノナガチヒロエビAnstaeomorpha foliacea(Risso, 1827),ハクメイチヒロエビAristeus mabahissae Ramadan, 1938,ハクセンヒカリチヒロエビ(新称)A. pallidicauda new species,ヒカリチヒロエビA. virilis (Bate,1881),およびオオミツトゲチヒロエビPlesiopenaeus edwardsianus (Johnson, 1867)を報告した.新種ハクセンヒカリチヒロエビは岩手県宮古沖の水深500-700mから採集された雄,雌それぞれ1個体の標本に基づいて記載された.本新種は形態的には,大西洋,地中海およびインド洋に広く分布するA. antennatus (Risso, 1816)および西大西洋産のA. antillensis A. Milne Edwards & Bouvier, 1909に類似するが,胸脚上の発光器の数が少ないことと,雄の第3顎脚指節と雌の生殖器の形態が異なることにより,明らかに識別できる.ハクメイチヒロエビとヒカリチヒロエビについては 個体群間の形態変異について言及した.また,オオミツトゲチヒロエビは,日本近海では土佐湾からのみ知られていたが,本州東北海域まで分布すること が判明した.
- 日本甲殻類学会の論文
- 1993-11-10
著者
-
駒井 智幸
Department of Animal Sciences, Natural History Museum and Institute
-
駒井 智幸
Natural History Museum & Institute
関連論文
- 日本産アナエビ科の新属新種(甲殻綱,十脚目,アナジャコ下目)
- 日本産ホンヤドカリ属の1新種
- 日本産シンカイテナガエビ属の1新種
- 日本産ホンヤドカリ属pagurusの新種
- 北日本太平洋沿岸から採集されたチヒロエビ科(十脚目:根鰓亜目)
- オキナハコエビ(新称)の日本からの初記録
- クシモトサンゴヤドカリはクリイロサンゴヤドカリの幼若個体
- ミツトゲクロザコエビ(新称)(十脚目:コエビ下目:エビジャコ科)の日本からの初記録
- 太平洋新記録のCestopagurus属ヤドカリ(甲殻綱,十脚目,ヤドカリ科)の1新種
- 日本北部から得られたカルイシエビジャコ属(新称)の1新種
- 相模湾産タラバエビ科(甲殻綱,十脚目)の1新種
- 日本産シンカイテナガエビ属の1新種
- 日本産ホンヤドカリ属の1新種
- 日本産深海性ヤドカリ(甲殻綱,十脚目)の2新種
- 相模灘産イバラモエビ属1新種の記載及び2稀種の記録(甲殻綱,十脚目)