眼底画像からの眼底形状の3次元復元・表示
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概要
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眼底カメラをわずかにずらして撮影した2枚の眼底画像から, ステレオの原理を用いて眼底形状を復元・表示する.ただし, 単純なステレオ復元では, 眼底の3次元形状は得られない.眼のレンズ, 視野を広げるための広角接眼レンズを通して眼球内を観察しているからである.さらに, 眼底カメラでは, 特殊な光学系を用いているので, ステレオ画像として用いるためには, 光学系のキャリブレーションとそれに基づく画像の歪み補正が必要である.カメラの光学系は装置に固有であるため歪み補正は一度キャリブレーションをしておけばよい.しかし生体眼は個人差があり, 広角レンズの影響は撮影ごとに異なるため, あらかじめその光学系を同定し画像を補正することはできない.ここでの手法は, まず, 生体眼と撮影用広角レンズを併せた光学系を単レンズでモデル化する.そして, 眼底のおおまかな形状がほぼ球面と見なせることを用いて, この単レンズの位置, 傾き, 焦点距離を推定するとともに, 眼底形状を復元する.結果を3次元表示することで, 眼底形状の疾患の部位の特定などが容易になった.
- 1998-05-27