桑名藩家中弁の成立と終焉 : 原因・理由表現の考察から
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概要
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近世末期桑名藩士による『桑名日記』には特有の家中弁がみられる。藩主が桑名-越後高田-奥州白河-再び桑名へと転封する過程で地域方言と接触し,一方で家中意識に支えられた集団語として,特有なことばが形成されて来たと考えられる。この点を原因・理由を表す条件表現の分析から考察した。主要事項の中で,古態のニ・デは桑名以来のもの,散見されるサカイは越後,多用されるカラは白河で獲得されたと推定し,これに文章語形式も加わり,幅広い表現に対応する。そうした家中弁の成立経緯をさぐった。
- 2003-07-01
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