名詞文「AガBダ」型の発生とその拡大の様相 : 主格表示「ガ」と係助詞「ゾ」「コソ」との関連性
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概要
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本稿では,名詞文「AガBダ」型がどのような経緯で発生したかについて言及し,それが,「AゾBダ」型や「AコソBダ」型との関わりにおいて,どのように拡がったのかを中心に考察した。結果は以下の3点にまとめられる。a「AガBダ」型は,古代語から近代語へと日本語の文表現が移り変わっていく中,係助詞が未分化的に持っていた意味・機能を,主格表示「ガ」と他の成分との分化によって表現するようになったところがら発生したと考えられる。b「AガBダ」型の初出は12世紀前期であるが,平安鎌倉期においては皆無に近く,その拡がりは16世紀以降である。c「AガBダ」型の拡がりの様相には,第1期の記述用法,第II期の前項焦点用法,第III期の「AガBダ」型の多様化と段階が見られ,第1期では「AゾBダ」型との関わりにおいて,第II期,第III期においては「AコソBダ」型との関わりにおいて拡がりが確認される。
- 日本語学会の論文
- 2003-04-01
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