切開・凝固の可能な内視鏡下手術用双極式短気メスの検討(III)

概要

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患者の電気安全やEMCの観点から,対極板を使用せず,かつ従来の単極式電気メスと同様に切開・凝固が可能な双極式電気メスの検討を行ってきたが,内視鏡下での,より低侵襲な手術の普及に伴い,体腔内でも高周波電流を術部に限定し,切開・凝固を可能にする双極式メスを実現することを目標に,双極性を確保しつつ体腔内術部へ高周波電流を給電する方式や高周波アイソレーションのために必要な絶縁トランスについて前年度までに理論的,実験的な検討を加えてきた.その結果,ほぼ満足しうる仕様の内視鏡手術用双極式電気メスを,従来の単極式電気メス電源本体に接続しうる特殊なメスホルダとして実現することが可能になっている.双極式の利点の一つとして,周囲の機器への障害を軽減しうる,EMCへの対応がある.しかし,漏洩高周波の絶対量の測定には特別の測定装置が必要となり,簡単には定量測定ができない.ここでは高周波の漏洩を従来の単極式と比較してどの程度軽減し得るかにつき,簡単な電磁界強度計を作成し,手術の実際に近い状況を設定して相対評価を試みているので,現在までに得られた結果について報告したい.
日本医療機器学会の論文
2003-04-01