ドライパウダー型吸入ステロイド剤を中長期使用する喘息患者の, 誘発喀痰による末梢気道炎症の評価とHFA-BDP吸入剤(キュバール^<TM>)の効果

概要

論文の詳細を見る
日常臨床でドライパウダー型吸入ステロイド剤のFluticasone Propionate Diskhaler(R)(FP-DH), FP Disks(R)(FP-DK), Budesonide Turbuhaler(R)(BUD-TH)が普及する中, 薬剤が好酸球性気道炎症を十分抑制しているか検討した. また, hydrofluoroalukan-beclomethasone dipropionate(HFA-BDP)剤の末梢気道への効果も検討した. 方法:6カ月以上安定しドライパウダー型吸入ステロイド剤を使用する喘息患者85名(FP-DK)K群37名, FP-DH群11名, BUD-TH群37名)を対象に, 10%食塩水15分間吸入にて喀痰誘発し, 痰中好酸球数, ECP値を測定した. 誘発喀痰中に好酸球を認めた患者は, HFA-BDP)吸入剤(400μg/日)に換え, 切換え前と4週後に痰中好酸球数, ECP値, RANTES値, Eotaxin値, 好中球elastase(PMN-E)値を測定した. 結果:FP-DK群の40.5%, FP-DH群の36.3%, BUD-TH群の32.4%が誘発喀痰中に好酸球を認めた. 好酸球を認めた群は認めない群と比べ, 有意なECP値上昇を認めた. HFA-BDP吸入剤への切換え4週後に, 各群で痰中好酸球数ECP値, RANTES値, Eotaxin値, PMN-E値の減少を認めた. 結論:HFA-BDP吸入剤は, 従来のドライパウダー型吸入ステロイド剤では抑制しきれない好酸球性気道炎症を改善する可能性が示唆された.
2005-01-30