アイソトープ標識 DNA による抗 native DNA 抗体の検索 : I.検出法の基礎的検討
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概要
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SLE の診断, 経過観察上もっとも特異的かつ重要である抗 native DNA 抗体 (抗N-DNA 抗体) の検出を, アイソトープ標識 DNA を用いた各種の方法で検討した.N-DNA へのアイソトープ標識法としては, 試験管内で actinomycin D〔^3H〕と N-DNA を結合させる方法が操作迅速かつ容易で, 高い specific activity をもった DNA を大量に得られる点優れていた.まず硫酸アンモニウム法による抗 DNA 抗体の検出法は, 特異性, 鋭敏性とも優れており再現性も良いことが確認できた.また, 本法により非沈降性, 非補体結合性抗 DNA 抗体の存在が確認できた.次に solid-phase immunoassay でも, 抗 N-DNA 抗体の検出が可能であったが, 硫酸アンモニウム法よりもやや再現性が悪かった.millipore filter assay による抗 N-DNA 抗体の検出は, actinomycin D 自体のフィルターへの非特異的付着があるため, actinomycin D〔^3H〕・N-DNA による検出は不能であった.しかし ^<14>C-DNA を用いると millipore filter assay により抗 N-DNA 抗体の検出が可能となった.以上の3法による抗 N-DNA 抗体価には, 相互に有意の相関が認められたが, actinomycin D〔^3H〕・N-DNA を抗原とした硫酸アンモニウム法が routine work としてもっとも適した抗 N-DNA 抗体検出法と考える.
- 1977-02-28
著者
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