慢性咳嗽患者におけるカプサイシン吸入誘発咳閾値検査の不応期と後咽頭麻酔の影響

概要

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カプサイシン吸入誘発咳漱における咳漱の再現性と, 咳閾値におよほす咽頭の影響について検討した. 気管支喘息10例と, 慢性咳漱患者10例を対象にした. 咳閾値検査には超音波ネブライザーを用いて, 10回以上の咳を認める最小濃度を咳閾値とした. 最初の咳閾値検査の30分後と120分後に咳閾値検査を繰り返すことにより tachyphylaxisの有無を調べ, キシロカインビスカスによる後咽頭麻酔の前後に咳閾値を測定した. 咽頭の影響については, 対照として急性咽頭患者5例に咽頭麻酔前後の咳閾値測定を行った. 気管支喘息症例, 慢性咳漱症例のいずれも30分後, 120分後の咳閾値とも最初の咳閾値との間に変化を認めず, 咽頭麻酔前後の咳閾値にも変化を認めなかった. しかし, 急性咽頭炎患者においては全例咽頭麻酔後の咳閾値は上昇した. 咳閾値検査は30分後120分後のいずれも再現性が認められ, tachyphylaxisは存在しなかった. また, 咽頭において急性の炎症が存在する場合は咳閾値に影響を与えるが, 存在しない場合には咳閾値に影響をおよぽさないことが示唆された.
日本アレルギー学会の論文
1994-12-30