食物アレルギー児における食物抗原負荷試験前後の血漿ヒスタミン濃度の変動について
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概要
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該当食物に対する特異IgE抗体陽性の13人の食物アレルギー児および対照群として5人の非アトピー児に, それぞれ21回と5回の経口食物負荷試験を行い, 誘発される症状の有無と血漿ヒスタミン動態について検討した. 血漿ヒスタミン濃度はRIA法により食物負荷前, 負荷後5分, 15分, 30分, 60分, 120分, 240分に測定した. その結果, 血漿ヒスタミン濃度は負荷陽性群では, 負荷後120分と240分に有意に上昇した. このことは消化管から吸収された抗原活性物質によって反応が生じている可能性を示唆した. また, 負荷陰性群においても負荷陽性群ほどはないものの, 負荷後のピーク値は有意に上昇した. これは, 臨床的に評価できない程度の軽徴な反応を表現している可能性がある. なお, 対照群においては血漿ヒスタミン濃度の有意な変動を認めなかった. 今回の結果より, 食物負荷前後での血漿ヒスタミン濃度の測定は, 食物負荷試験において客観的な指標になりうると考えられた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1992-03-30
著者
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