Tanderil (Oxyphenbutazone)とButazolidin (Phenylbutazone)のアレルギー性炎症にたいする作用
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概要
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ラットの背部皮内に抗ラット・ウサギ血清の注射により惹起したアレルギー性炎症浮腫によって, UngarらのPunch法で抗炎症効果を測定した.TanderilとButazolidinは筋注または経口投与によりこの炎症浮腫を著明に抑制した.その効果はButazolidinでは投与後2時間, 同量のTanderilでは3時間後に, ほぼ同程度の極大に達した.30mg/kg1回投与の効果の半減期はButazolidinでは5-8時間の間, Tanderilでは12時間以上と判定された.Butazolidinでは筋注よりも経口投与の方が僅かながら効果が優れたが, Tanderilではその関係は逆であった.両薬物とも24時間毎の反復投与による効果の蓄積的増加がみられ, この増加はTanderilの方がやや著明であった.同じ方法でおこしたモルモットのHistamine浮腫, ラットにおけるSerotonin浮腫およびDextran浮腫もまた両薬物により, それぞれ上記極大効果の時間における判定で同程度の抑制をみた.感作モルモット肺からの抗原によるin vitroのHistamine遊離はButazolidinおよびTanderilの何れも10^<-6>-10^<-3>濃度の存在によって抑制された.このことは両薬物の抗炎症作用点の主体が局所組織にあることを示唆する.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1964-03-30
著者
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