川崎病のアラキドン酸代謝物についての研究 : 第1編 川崎病の血漿中Immunoreactive Leukotriene C_4値
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概要
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川崎病の血漿中immunoreactive leukotriene C_4 (i-LTC_4)値を測定しアラキドン酸代謝のlipoxygenase系の関与について検討した.対象は, 川崎病患者児33例で, 急性期, 回復期および発症より1年後の血漿中i-LTC_4値を測定した.LTC_4の抽出, 精製は腰原らの方法に準じ, LTC_4抗体を用いradioimmunoassayで測定し, 一部はHPLCで分析した.結果は, 以下のごとくである.1)川崎病の急性期の血漿i-LTC_4値は0.10±0.09pmol/mlで健常小児の0.02±0.03pmol/mlに比し高値であった(p<0.015).2)アスピリン内服中の回復期の血漿i-LTC_4値は0.11±0.08pmol/mlで, 健常小児に比し高値であった(p<0.005).3)1年後のアスピリンを内服していない時期での血漿i-LTC_4値は0.016±0.02pmol/mlで, 正常範囲内であった.4)HPLCにより分画すると, LTC_4, LTD_4, LTE_4の各分画の高値がみられた.以上, 川崎病ではアラキドン酸代謝のlipoxygenase系の活性化が明らかであり, 本症の病態発生に関与していることが示唆された.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1987-12-30
著者
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