可溶性蛋白抗原によるマウス腹腔内遅延型アレルギー反応と非特異的Killer細胞の誘導について
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概要
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最近腫瘍免疫においても遅延型アレルギー(DTH)反応の重要性が指摘されている.今回我々は従来より行われている腫瘍そのものを抗原として用いるのではなく, 一般的な可溶性蛋白抗原keyhole limpet hemocyanin (KLH)あるいはovalbumin (OVA)を用い, マウス腹腔内でDTH反応を引き起こすことによるkiller細胞誘導の可能性を検討した.KLHで免疫したマウスの腹腔内に同一抗原をチャレンジして生じた炎症は, 24-48時間で最大となること, 抗原特異的であり, T細胞依存性であることからDTH反応と考えられ, また腹腔滲出細胞(PEC)は4hrの^<51>Cr release assayにより, 腫瘍細胞株SP2, YAC1に対してkiller活性を示した.killer細胞の誘導に関しては, 24-48時間で最大となり, 抗原特異的であり, nu/nuマウスでは誘導されないことなど, 腹腔内DTH反応とほぼ完全に平行しておりDTH反応との強い関連が示唆された.このkiller細胞は, ナイロンウール非付着性であり, 表面マーカーはasialoGM1^+, Thy1^+, Lyt1^-, Lyt2^-で, 前駆細胞の性状(asialoGM1^+)並びに標的特異性からNK細胞に属すると考えられた.
- 1987-06-30
著者
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栗林 恒一
和歌山医科大学第2病理
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栗林 恒一
和歌山県立医科大学第2病理学教室
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斎藤 晃治
和歌山県立医科大学第二病理
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高尾 敏彦
和歌山県立医科大学第二病理
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斎藤 晃治
和歌山医科大学第2病理
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斎藤 晃治
和歌山県医大
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斎藤 晃治
和歌山県立医科大学第2病理
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