小児気管支喘息発作時の抗利尿ホルモンの動態 : 特に補液療法との関係について
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概要
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小児気管支喘息発作時の輸液は, その治療の最も基本的なものと考えられるが, 喘息発作時に抗利尿ホルモン(ADH)が上昇しているとの報告や, 喘息重積状態にSyndrome of Inappropriate Secretion of ADH (SIADH)が合併するとの報告も散見される.そこで喘息発作時の輸液療法を再検討する目的で, ADHを測定し同時に血清Na, 血清浸透圧などの測定を行った.その結果, ADHは喘息小発作, 中発作時には正常対照, 気管支喘息間歇期に比し明らかな上昇を示していた.また, 大発作時では喘息小発作及び中発作時に比し更に有意に上昇していた.喘息発作時に低Na血症, SIADHを合併した症例はなかった.輸液開始後に速やかにADHが低下した症例は9例中3例のみで, 残りの症例ではADHに大きな変化はみられなかった.喘息発作時に, ADHは実際に上昇しており, 喘息発作時の輸液療法はADHの動態を考慮し, 血清Na, 血清浸透圧, 尿浸透圧をモニターしながら慎重に行う必要があると思われた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1987-04-30
著者
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