全身性自己免疫性疾患におけるリンパ球機能に関する研究 : 第1編 全身性紅斑性狼瘡および類縁疾患患者リンパ球のDNA修復能
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概要
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細胞性免疫の異常を重要な発症要因の1つとするSLEなど全身性自己免疫疾患患者末梢血リンパ球について, 紫外線(UV)照射後のDNA修復を検討した.その結果, (1)UV100erg/mm^2照射にてDNA修復量は最大となり, UV照射4時間で全修復量の70%が終了し, 16時間後には完了した.(2)正常人のT-cell, B-cellのDNA修復能には有意差を認めなかった.(3)各種疾患患者リンパ球のDNA修復能はT-cell typeとB-cell typeの慢性リンパ性白血病で著明な低下を, SLEリンパ球は有為の低下を示した.(4)オートラジオグラフ上のgrain計数によって, SLEリンパ球は正常人リンパ球に比し一様なgrain数の低下が認められたが, DNA修復能の欠失した特定のリンパ球群は見いだせなかった.(5)SLE患者血清に正常人リンパ球のDNA修復に対する阻害効果は認めなかった.(6)SLE, CLLにおけるリンパ球のDNA修復能の低下はこの疾患の発症や病態と深い関係をもつと考えられる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1979-10-30
著者
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