抗原抗体反応による血管透過性の定量的研究 : 第2報 腹膜灌流透過性試験
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概要
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著者は前報で報告した腸間膜透過性試験 (MPT) にさらに改良を加え, 近交系マウスの腹膜潅流を行いつつ腸間膜の内外で抗原抗体反応をおこさせ, アレルギー性の血管透過性を遊出する色素を光電比色することにより, CGS 単位によって定量的に表現する方法を考案した.これを腹膜潅流透過性試験と名づけた.この試験は, 従来の皮膚反応の青色斑よりの色素抽出法に比して, 定量性および経時的変化の追及にすぐれており, また腸間膜透過性試験に比べて, 非麻酔で施行できるため麻酔剤による抑制をうけず, また近交系マウスを使用するため個体差によるバラツキの影響を最少限に抑え, きわめて再現性と定量性に富む特徴を持った全く新しい方法である.この方法の諸条件を検討するとともに, 近交系マウス12系統について感受性をしらべたところ, C3H系マウスが最もこの実験に適していた.抗原と抗血清の量的比率では, 一種の最適比の現象が認められ, 沈降反応より約2倍抗原過剰のところにあることがわかった.この反応は, 麻酔剤, 抗ヒスタミン剤で抑制され, ヒスタミン, アセチルコリン単独では透過性亢進は認められない.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1975-02-28
著者
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