各種腎炎および全身性紅斑性狼瘡における血清補体および補体成分の変動
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概要
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各種腎炎および SLE 合計89例につき, 血清補体価(CH50)を Mayer の方法で, C1, C4を Nelson の方法で, β_1C-_1A を single radial immunodiffusion 法で測定し, 比較検討した.1) 急性腎炎初期および SLE 活動期に CH50 の著しい低下がみられたが, 前者では CH50 と β_1C-_1A の間に, 後者では CH50 と C4 の間に最も高い正の相関がみられた.2) 慢性腎炎では CH50 は正常であったが, C1 低下, C4 上昇, β_1C-_1A 正常(末期ではやや低下)を示した.3) ネフローゼ症候群では, CH50 は正常ないしやや高値であったが, 補体低分では, C1 低下, C4 上昇, β_1C-_1A 正常で, 慢性腎炎に類似した傾向がみられた.経過中に CH50 が一過性に著しい低値を示した症例が1例あったが, その際臨床症状の変化はみられなかった.4) SLE では活動期にはほとんど全例が CH50 の低下を示したが, 非活動期にも著しい低値を示したものがあった.蛋白尿の程度と血清補体価との間には必ずしも関連はみられなかった.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1972-10-30
著者
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