実験的筋症に関する研究 : 第2篇 分離筋膜感作による実験的筋症
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概要
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ラット肋間筋から筋膜を純粋に分離してそれを感作することにより実験的筋症を発生せしめた.すなわち筋膜はKCl緩衝液に2.5×10^<-7>M NaOH液を用いて成熱ラット肋間筋から分離した.分離筋膜の純粋性は位相差顕微鏡, 電子顕微鏡ならびに化学分析によつて確認した.凍結乾燥した分離筋膜50mgkgを3m1のFreund's complete adjuvantに混じてウサギ背部皮内に10-30目に1回の割に合計3回免疫した.初回感作から3-9ヵ月後に実験的筋症が発生した.組織学的には骨格筋は鎖状核ならびに中心核をもつた萎縮筋線維を中心としたジストロフィー様障害と変性筋線維とともに多数の貧食細胞を伴つた多発性筋炎様病像を呈していた.筋電図学的には典型的なmyopathic pattemを呈していた.その他腎臓ではwier loop様病像, 脾臓ではonion skin様病像を呈し, すべてのリンパ組織からは小リンパ球が消失していた.筋膜に対する血清抗体価は補体結合反応で1:100ないし1:300を呈しlatex凝集反応では1:512ないし1:1,024倍であつた.Rapid immunoelectrosyneresis(Bussard(の変法)で分離筋膜との問に沈降線を生じたが, これはあらかじめ筋膜で吸着すると消失した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-12-30
著者
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