気管支喘息と感染 : 第2報 気管支喘息における感冒性ウイルスの役割りに関する研究
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概要
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気管支喘息患者の細菌や感冒性ウイルスに対する血中抗体価を測定し, 以下のべる結果を得た.1.黄色ブ菌ならびに Klebsiella に対する血中抗体価は感染型に高く, アトピー型は正常者との間に有意差が認められなかった.2.A_2型, B型インフルエンザウイルスおよびパラインフルエンザウイルス, HJVに対するHI価は, 正常者に比し有意の高値を示したが, 病型別には有意の差はみられなかった.3.重症ならびに中等症において, 細菌およびウイルスに対する血中抗体価が高い傾向を示した.4.インフルエンザウイルスに対する血中抗体価は若年者に高く, 細菌類に対する血中抗体価は老年者において高値を示した.5.A_2/愛知/2/68に対する血中抗体価は, 喘息好発時期の9-10月に高値を示す者がみられた.6.インフルエンザワクチン即時反応陽性者には血中抗体も高かったが, 遅延型の陰陽両者には血中抗体価に差がなく, 細菌類においては, むしろ皮膚反応陰性者(即時型, 遅延型)に血中抗体価の高い傾向がみられた.7.A_2型インフルエンザウイルスと細菌(黄色ブ菌ならびに Klebsiella)に対する血中抗体価の間に有意の相関が認められた.8.室内塵により減感作中の患者には, 室内塵に対すると同様, 黄色ブ菌に対する抗体価の上昇を認めたが, Klebsiella, インフルエンザウイルス, HVJに対する抗体価の上昇は認められなかった.以上および第1報に示したインフルエンザウイルスに対する皮膚反応がアトピー型に陽性率が高く, また, 血中にレアギンも見い出されることから, インフルエンザウイルスは感染ということ以外に吸入性アレルゲンとしても作用している可能性が大きい.また, 気管支喘息患者はこれら経気道抗原によって感作されやすいか, 感染を受けやすいことがいえる.さらにわれわれが感染型喘息といっているものは, ウイルスではなしに細菌類の感染に関連したものであるということがいえる.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1971-11-30
著者
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