気管支喘息の病理学的研究 : 蛍光抗体法による肺組織結合抗体の追求
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
気管支喘息の発作に関与する形態的特徴は気管支平滑筋の肥大・〓縮と粘液産生亢進像である.このような形態的変化と発作発現機序とに関与する肺組織結合抗体とさらにアレルギー反応の場を証明する目的で, 螢光抗体法を使用して検索した.材料は窒息で死亡した気管支喘息の4剖検例である.気管支喘息の肺組織における特異螢光は, 室内塵抗原, 細菌類抗原(Candida, Aspergillus, Broncasma Berna)および抗免疫グロブリン抗血清をもちいて比較観察した.室内塵, 細菌類抗原に対する特異螢光は3例全例に, 免疫グロブリンに対する螢光は被検2例に認められた.螢光発生部位は気管支上皮, 平滑筋, 気管支腔内の粘液, 脱落上皮, 細胞などであり, 基底膜, 粘膜固有層, 結合織, 軟骨, 肺動脈, 肺胞などには螢光を認めなかつた.感作モルモットでもほぼ同様の成績を得た.生前の皮内反応と肺組織結合体との関連は不明ある.以上のことから肺組織結合抗体は気管支上皮, 平滑筋, 平滑支腺, 気管支腺などに存在し, またそれらの部位がアレルギー反応の場としてもその形態的変化と共に重要な役割を演じている考えた.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1970-04-30
著者
関連論文
- 14. ステロイド離脱に際しての beclomethasone dipropionate inhaler (BDI) の効果(1 気管支喘息ステロイド療法の問題点)
- 13. 吸入用ステロイド剤 beclomethasone dipropionate inhaler (BDI) に関する臨床的研究 : II. 喘息患者の副腎皮質機能に及ぼす影響(1 気管支喘息ステロイド療法の問題点)
- 12. 吸入用ステロイド剤 beclomethasone dipropionate inhaler (BDI) に関する臨床的研究 : I. 抗喘息効果とその特性(1 気管支喘息ステロイド療法の問題点)
- 124.気管支喘息患者におけるbeclomethasone dipropionate吸入剤(BDI)の臨床治験について(喘息(治療II))
- 気管支喘息に対するBeclomethasone Dipropionate吸入療法 (内科治療のトピックス-2-)
- 122. 気管支喘息患者の長期観察例 (5年以上) について (第2報)(喘息(統計))
- 57. 気管支喘息患者におけるアミノフィリン投与後の血漿テオフィリン濃度 : 特にアミノフィリン直腸内投与について(喘息(治療))
- 24.気管支喘息の病理学的研究 : 特に気管支壁神経叢および神経線維について(喘息:病態生理)
- 5.気管支喘息の病理学的研究 : 免疫細胞および免疫臓器について(喘息)
- (49) ショックと肥胖細胞の病理(ショック)
- 63.気管支喘息の病理, 特に肺自律神経の形態的変化について(喘息I)
- 74.静岡県富士市小学校児童の気管支喘息に関する臨床的研究(第3報)(喘息)
- 16. 気管支喘息における beclomethasone dipropionate 吸入剤 (BDI) の二重盲検法による臨床効果の検討(1 気管支喘息ステロイド療法の問題点)
- 呼吸困難--喘息死を中心として (急死特集)
- 108.金製剤の白血球遊走に及ぼす影響(細胞性免疫)
- 喘息治療剤--内科領域--鎮咳去たん剤 (治療薬剤の再検討)
- 気管支喘息の病理学的研究 : 蛍光抗体法による肺組織結合抗体の追求
- ラットのPCAにおよぼすDisodium Cromoglycate(Intal)の抑制効果
- 胃細網肉腫の1例
- 膵ランゲルハンス島のアミロイド症を示した糖尿病の1剖検例