Cytophilic Antibodyの生物学的意義
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概要
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Cytophilic antibodyの生物学的意義を明確にしたいと考え, 抗原としてヒツジ赤血球及びE.coli O 111を用い, モルモットのマクロファージとそのCytophilic antibodyをsystemをmodelにして, ロゼット形成法により検索した.1)Cytophilic antibodyに対するマクロファージ側のreceptorはplasma membraneの外側に接して存在することをフェリチン抗体法を用いて証明した.2)Cu-chlorophillinはin vitroはのみならずin vivoの投与においても, Cytophilic antibodyのマクロファージへの結合能を低下させた.これは電顕的検索により, 恐らくreceptorへの作用によるものと考えられた.3)ロゼットの電顕観察においては, ヒツジ赤血球はマクロファージ表面の突起を形成するplasma membraneに比較的規則正しい間隔で密接していた.4)2種の抗原及びcytophilic antibodyを用いた実験により, マクロファージに一方のcytophilic antibodyが結合した場合には, それに対応する抗原のみを吸着し, 他の抗原には反応せず, 他の抗原は先に吸合していたcytophilic antibodyが遊離し, その抗原に対応する抗体がマクロファージに結合した時, 初めて吸着及び貧食された.すなわち, cytophilic antibodyには, それに対応する抗原を特異的にマクロファージに吸着し, 貧食せしめる能力が存在することが確認された.5)種々免疫血清中には, 抗原に対する特異性と共に, マクロファージに対する親和性を有するcytophilic antibodyが存在すること, そして, このcytophilic antibodyがマクロファージに自己と非自己とを識別する能力を賊与しているのではないかという仮設に到達した.
- 日本アレルギー学会の論文
- 1970-04-30
著者
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