アトピー性皮膚炎患者におけるNatural Killer 細胞活性の検討

概要

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アトピー性皮膚炎(ADと略す)患者128例のnatural killer 細胞活性(NK活性と略す)について,AD重症度,罹病期間,心理状態などとの関連について検討した.結果:1) NK活性とAD重症度, NK活性と好酸球数・血清lgE値のいずれの間にも相関を認めなかった。2)罹病期間5年以下・6〜15年・16年以上の3群における検討では,罹病期間5年以下群と比較して,16年以上群で有意にNK活性の低下を認めた(P =0.036).また,AD重症群は軽症群に比較して罹病期間が有意に長かった(P=0.014). 3) NK活性とProfile of Mood States (POMS)で評価した心理状態(緊張-不安,抑うつ-落ち込み,怒り-敵意,活気,疲労,混乱)の各6因子のいずれの間にも相関を認めなかった.考察:罹病期間のより長い群で有意なNK活性の低下がみられたという結果について精神神経免疫学的考察からは, AD罹患による慢性ストレスがNK活性に影響を及ぼしていることが示唆された.
日本アレルギー学会の論文
2003-11-30