日本初記録のフウライテナガエビ(新称)Brachycarpus biunguiculatus(LUCAS,1849)
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概要
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八重山列島および伊豆諸島八丈島の沿岸より採集した3個体に基づき,フウライテナガエビ(新称)Brachycarpus biunguiculatus(LUCAS,1849)を記載した.本種は地中海をはじめ,大西洋,インド洋および太平洋の熱帯・亜熱帯など極めて広範囲に分布する.しかし,本邦産フウライテナガエビに関する記載は今までになく,本論文が本種の日本初記録となる.本種はテナガエビ属Macrobrachiumエビ類と酷似するが,第3-第5歩脚の指節に明瞭な2骨質歯を有すること(テナガエビ属では1歯),および海産であること(テナガエビ属は淡水・汽水産)から容易に識別できる.なお,従来本種には和名がみられないため,全大洋に広く分布する汎熱帯種であることから風来坊にちなんでフウライテナガエビとし,またBrachycarpusはフウライテナガエビ属と呼びたい.
- 日本動物分類学会の論文
- 1994-02-25
著者
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大澤 正幸
Department Of Zoology National Science Museum
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大澤 正幸
東京水産大学
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奥野 淳兒
日本大学農獣医学部
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奥野 淳兒
千葉中央博海博
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大澤 正幸
東水大
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