オキナガレガニPlanes cyaneusの第一ゾエア幼生
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概要
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3種を含むオキナガレガニ属(Planes)のカニはイワガニ亜科の中では遊泳力が強く,沿岸で普通に見られるにもかかわらず,その生活史に関する知見は少なく断片的である.現在までにゾエア幼生の形態については,大西洋のP. minutus (L.)および南太平洋のP. marinus RATHBUNで報告例があり,わが国も含めたインド太平洋域に分布するオキナガレガニP. cyaneus DANAのみが未記載である。そこで八丈島沖から採集された抱卵雌より本種の第1ゾエアを得て,幼生形態の記載を行うと共に同属,同亜科および他亜科と幼生形質を比較した.本種のゾエアの形態は既報告の2種とは区別し難い.またイワガニ亜科内ではこれまでに5属において幼生記載があるが,オオイワガニおよびIliograpsus plaudicola (RATHBUN)の2例を除いては互いに非常に似ている.一方で本亜科のゾエアは特徴的な腹節形態によって他亜科のそれと区別する事が可能である.
- 日本動物分類学会の論文
- 1990-12-25
著者
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